更年期障害は、いつから?
更年期障害の始まる年齢は、
女性が閉経する50歳の、前後の10年間が、
一番多いと言われています。
女性の閉経期に伴う症状だと思われてきましたが、
近年、自覚しにくいだけで、
男性にも、更年期障害に似た症状が、
現れることが、分かって来ました。
また、年配の方だけでなく、30代ぐらいの、若い方でも、
数々のストレスから生理不順など、ホルモンがアンバランスになり、
「若年性更年期障害」というものを発症する人も、増えてきています。
男性の場合は、「若年性ED」などの形で現れることもあるそうです。
そのため、「更年期外来」は、
女性の更年期は、産婦人科医が、
男性更年期は、泌尿科医が、担当されています。
少しおかしいな…?
と思ったら、早めに受信することが大切です。
更年期障害の症状とはどんなものでしょうか?
更年期障害の症状は、
ホルモンの急激な減少によって、自律神経が乱れ、
ひと言では言い表せないほど、人それぞれに、
本当に様々な症状を伴います。
身体に起こる症状と思われがちですが、
鬱症状など、精神的な面で現れることも多くあり、
深刻な症状になることも珍しくありません。
次に、ざっと簡単に、
更年期症状で多く訴えのある物を、あげてみます。
更年期障害の身体の症状
★ホットフラッシュ
顔から上だけ突然、異常に汗をかきます。
ポタポタと、したたり落ちるほどの大粒の汗であることが多く、
生活や仕事の場面で、周りの人の目も気になり、
不快なだけでなく、心理的にも大きなストレスになります。
★ほてり・のぼせ
突然、なんの前触れもなく、顔が真っ赤になったり、頬がぼーっとなったりします。
落ち着こうとすればするほど、余計に顔がほてり、
焦ってしまう人も多いです。
★冷え
ほてりと反対に、冷え症状が激しく出る人がいます。
また、のぼせた後に、急に寒気が来る人も…。
このように、体温を調節する自律神経に乱れが生じ、
体温が快適に、保てなくなってしまうのが、
更年期障害の大きな特徴の一つです。
★胸の痛み(乳房の痛み)
女性の場合特に、胸の痛みを感じる人がいます。
女性ホルモンである、エストロゲンは、胸の発育に、大きく影響するからかも知れません。
痛みは人によって差がありますが、
不意に痛むので、不安になる人が多いです。
★動悸・頻脈や不整脈
のぼせと同じく、突然の動機に見舞われる人もあります。
しばらくすれば収まりますが、
また忘れたころに突然、いつもとちがう、異常な脈の打ち方をして、
不安を通り越して、恐怖にも似た気持ちになってしまいますね。
★めまい・ふらつき
目眩(めまい)を経験する人も多いです。
目眩には大きく、良性のものと、悪性のものがあり、
また、めまいのタイプも、
ぐるぐる回る回転性のもの、視界が、ふ~っと薄暗く、貧血を起こした時のように気が遠くなっていくもの、
ふわふわふらつく、浮動性のものと、三種類あります。
突然のめまいで歩けなくなったり、は吐き気を伴うことも多く、
生活をしていくうえで、かなりのストレスになります。
★耳鳴り
これも経験している人は多いです。
命の危険はないと思われて、放置されていることも多いのですが、
白血病などの重い病気でも耳鳴りはしますし、侮らないことが大切です。
★だるい・疲れやすい(倦怠感)
この症状に悩まされている女性は多いのではないでしょうか?
だるくて起き上がることもできず、家事すらままならない。
でも、周りの目には、ただ怠けているように映っているのではないかと、
罪悪感がストレスになり、鬱症状へと移行していくこともあります。
★肥満(太る)やせ
更年期の年齢に差し掛かると、大樹に変化が現れることが多いです。
太りやすくなる人がほとんどですが、中には痩せて行く人もあります。
★むくみ
むくみの症状が出ると、腎臓の病気を疑ってしまいますが、
いくら調べても、何の原因も無いのに、足や、瞼などが、むくむ事があります。
見た目は分かりにくいですが、
足では、正座がしにくくなったり、
手では、グーの形に、握りしめにくくなったりすることもあります。
★頭痛・頭が重い
女性は頭痛持ちが多い。
昔から、よくそう思われていますが、
これは女性ホルモンが、頭痛に大きく作用しているからで、
排卵期あたりに頭痛を経験した人も多いのではないでしょうか?
でも、起き上がれないほどの頭痛。24時間、いつ収まるのか予測もできない頭痛。
本人はもちろん、そばで見ている人も本当に辛いものです。
★頻尿・尿もれ
尿漏れは筋肉のゆるみの事もありますが、
突然の頻尿になり、外出もままならないこともあります。
外出しても、トイレの場所ばかり気になり、
やがて閉じこもり気味になる人もいます。
★抜け毛・薄毛
年齢のせい…とは言えないくらい、女性でも、突然、抜け始めることがあります。
産後や、夏の終わりに、抜け毛が増える人は多いですが、
何の心当たりも無いのに、突然抜け始めたり、
抜ける量が、かなり多かったりすると、本当に不安ですし、
人前に出るのを、ためらってしまう人もいます。
こういうのも、鬱症状のきっかけになったりします。
★肌荒れ
今までず~っと使っていた化粧品に、突然かぶれるようになった。
そんな経験はないですか?
一度かぶれると、それ以来何を使っても、顔が赤くなって、ヒリヒリする。
そんなお悩みの方も多いです。
かと言って、何も塗らない訳にもいかず、
深刻化、重症化しないうちに、
この時期の肌に合ったスキンケアを見つけることが大事です。
一旦、肌の状態を、素に戻すことも、
必要かもしれません。
★骨粗しょう症
女性ホルモンが減少すると、骨密度が少なくなり、
骨粗しょう症になる人が増えるのは、ご存知の方も多いと思います。
40歳を過ぎたら、一度は、骨粗しょう症の検査を受けられることをお勧めします。
★胃炎、膣炎など、粘膜の萎縮による痛み
年齢を重ねると、肌だけでなく、全ての粘膜の、弾力が無くなり、
委縮して行きます。
そのせいで、ただれたような痛みを感じる人も多いです。
「胃粘膜」が萎縮すると、
そんなに食べてないのに、食後、胃が痛むようになります。
また、「膣粘膜」が萎縮すると、
潤いが少なくなり、性行痛を伴う人もいます。
今問題になっている、セックスレスも、
これが原因の人も多いです。
また、膣粘膜が弱ったことに加え、
膣内の善玉菌(デティール桿菌)なども減少し、
細菌性、真菌性(カンジダ)膣炎などを、発症しやすくなる人がいます。
病気…というより、更年期ととらえ、
生活や、善玉菌の状態を改善をしていくと、
快方に向かっていく人もいます。
”菌活”も、
更年期世代には大事なことです。
★便秘、下痢
先ほど膣内の善玉菌について触れましたが、
同じく腸内の善玉菌も減少し、悪玉菌が増えることによって、
便秘や、下痢になったりします。
便秘になることによって、肌も荒れたり…、
更年期の症状は、色んな事が絡まり合っていることが多いです。
腸内フローラと言われるように、
腸内に色んな乳酸菌を増やし、
体質改善など、根本的な対策が必要なのではないでしょうか。
★不眠
年よりは朝が早い。あまり眠らなくても大丈夫。
昔から色んなことを言われましたが、
夜間頻尿などで、眠れないこともありますし、
眠り自体の質が悪く、夜、中々眠れないことがあります。
しかも気が付けば、
もう何年もそんな症状が続いている人も少なくありません。
あまり寝なくても大丈夫だから…
と思っていると、いつか身体が悲鳴を上げます。
眠りの質をよくすることは、
本当に、生活の質を上げる上で、大切なことだと思います。
近年は、不眠対策のサプリも多く出回っています。
身体に負担の少ない、ご自分に合ったサプリを選ばれても、いいかもしれません。
質の良い睡眠、質の良い目覚めは、
健康な生活を送るうえで必須です。
更年期障害の心の症状
★イライラ
母親や、恋人を想像するとき、
その多くは、”優しくて暖かい”などという言葉で形容されると思います。
それが女性ホルモンから来る、”女性らしい性格”でもあるからです。
しかし、この女性ホルモンが減少した場合、こう言った性格に支障が出ます。
少しの事でイライラしたり、怒りっぽくなり、
”優しくなくなる”…ように見えるのです。
そして本人は、ちっともイライラしていると気づかないし、
怒りっぽくなったという自覚もありません。(←ここ、本当に不思議です。)
「最近怒りっぽくなったね。」
「なんだかイライラしてるよ。」
などと、自分では身に覚えがないのに、
家族や身近な人から、そんな風に声をかけられたら、
一度自分の体調を振り、更年期障害を、疑ってみるのもいいかもしれません。
★不安
これも、ホルモンの減少から来る気質の一つです。
特に男性ホルモンは、不安を抑える働きを持っています。
そのホルモンが、勇敢な男らしさをもたらすものでもあるからです。
当然このホルモンが減ると、
原因も無いのに、何故かしら不安が付きまとうようになり、
物が捨てられなくなったりすることもあります。
★憂うつ
辛い事や、悩み事がある時、気分が塞ぎこむのは当たり前のことです。
でも、何の悩みも、落ち込む原因も無いのに、何故か気分が塞いでしまう。
こういうのは、更年期障害であることが多いです。
ホルモン療法に抵抗がある場合は、プラセンタ治療でも、改善されることが多いようです。
★やる気の低下
これも、うつ症状の一つですが、とにかくやる気が出ない。
何をするにも、身体以上に、気持ちがだるく感じてしまい、
中々動く気になれない人がいるようです。
★記憶力、暗記力の低下
物忘れ…と言えば、老化や認知症を疑ってしまいますが、
更年期障害であることもあります。
まずは、病院に行って、自分の状態を、はっきり知ることが、大切だと思います。
更年期障害とは?まとめ
突然ですが、あなたにベストパートナーはいますか?
いるとしたら誰でしょうか?
両親、恋人、仲間、色んなお答えがあると思いますが、
実は、あなたのベストパートナーは、あなた自身なのです。
身体の辛さも、心の辛さも、
一番わかってくれるのは、誰よりも自分自身ですし、
お腹がすいて辛い時も、
頑張って、ちゃんと食べてくれるのも自分です。
あなたは、これからの人生も、一番身近で過ごして行く、
このベストパートナーの、心と体を、
誰よりも大切に、守らなければなりません。
ただの老化だから…
更年期は誰にでもあるから…
などと傍観せず、
大切な、ベストパートナーの、
不快な症状を解決するために、
出来る限りの努力を、惜しまないであげてください。
体にとって、
我慢は、美徳ではありません。
大切な、ベストパートナーである、身体からのサインに、耳を傾け、
一番のパートナーである、あなた自身の手で、
適切なケアを、してあげてくださいね。